フラワーアレンジメント作りを上達させる方法
フラワーアレンジメントを上手に作るために何が必要でしょうか?
私は、大きく分けて二つあると思っています。
ひとつは、美しいものをたくさん見ること。
そして、少しだけ考えることです。どうして美しいんだろうか、と・・・
そうやって自分の感性をどんどん磨いてください。美しいものを理解できなければ、美しいものは作れません。
もうひとつは、真似をすることです。
いくら良い感性があっても、それを表現する技術がなければ良いものは作れません。
技術を覚えるのに一番良い方法は真似をすることです。
美しいものを見る、感じる
美しいものといっても、フラワーアレンジメントに限ったことではありません。活花でも、絵画や彫刻でも美しいものは何でも参考になります。
もちろん、自然に生えている植物や綺麗に整備された公園なども参考にしてください。
自然の景色は人が作り出したもの以上に参考になることが多いです。
そして、少しだけ考える癖をつけてください。なぜ美しいのか、または美しくないのかを・・・
分からなくても構いません。そうしていくうちに少しずつ感性が磨かれていくことでしょう。
綺麗な活花には、長い歴史の中で作られた法則が隠れています。素敵な絵画や彫刻には美しく見える比率や配色の秘密があります。
評論家のように解説できなくてもいいのです。自分の感覚として美しさの法則や秘密を感じて覚えてください。
子供の頃に、最初は7色の絵の具で満足していたのに、やがて自分で色を作ることを覚え、そして物足りなくなり24色の絵の具が欲しくなったように…
真似をして作る
感性が磨かれると、美しいアレンジメントをイメージ出来るようになります。
しかし、いくら頭でイメージできても、形にする技術がなければアレンジメントを作ることは出来ません。
技術を身につける一番の方法は、真似をすることです。アレンジメントが目の前にあったら、どうやって作ってあるのか考えましょう。
もし、同じものが作れたならば、そのアレンジメントを作る技術が身についたということです。
私が花屋さんに勤め始めた頃、先輩から言われたことは「壊して覚えろ」でした。
先輩が作ったアレンジメントでも、売れ残ったり用途によっては数日後に片付けてくるものがあります。
そんなアレンジメントを少しずつ壊しながら作り方を研究しろ、ということです。
そして、もう一度作り直してみたりしたものでした… 要するに「見て覚えろ」と言われていたわけです。
20年ほど経った今、「見て覚えろ」という意味がよく理解できます。生き物を扱うフラワーアレンジメントは、工業製品とは違うのです。
それぞれの花には、ひとつひとつ個性があるので、何センチに切って、何度の角度で挿して… こんな風には一概に決めることが出来ない世界です。
一番最初は、長さや角度といった数字を参考にして真似てみるのもいいでしょう。
しかし、本当に綺麗にアレンジしようとするならば、何度も何度も真似して作ることが大切です。そうするうちに、ひとつひとつの花の個性を引き出す方法が身についてきます。