プリザーブドフラワーを家庭で手作りする方法
プリザーブドフラワーって家庭でも手作りできるってご存知ですか?
基本のプロセスから、使う生花の種類、溶液の説明など、プリザーブドフラワーの作り方を解説します。
手作りの基本工程
1:花材の準備
元々の花が元気でないと良いプリザーブドフラワーは作れません。
新鮮で水揚げのしっかりされた元気な花を用意することが大切です。
2:脱水・脱色
お花を脱色液に浸けます。
お花に含まれている水分がアルコールに置き換えられ、同時にお花の色を脱色します。
3:着色・保存
お花を着色液に浸ます。
好みの色に着色され、長期間の保存ができるように加工されます。
4:洗浄と乾燥
脱色液で洗浄するとともに、花の形を整えながら乾燥させます。
工程1:花材の準備
新鮮で元気のある花材を手に入れることが第一ですが、手元にあるお花が少し元気がないこともあるでしょう。
そんなときに、知っておきたい水揚げの方法をいくつかご紹介します。
水切り
水切りとは、水中で茎を斜めに切る方法です。
導管の中に空気が入らないように、しばらく水の中に浸けてから行うのがポイントです。
空中で茎を切った場合、空気が茎の導管に入り込み、水を吸い上げる妨げになることがあるのです。
茎を斜めに切るのは、給水面積を広くするためです。
湯上げ(煮あげ)
水切りをしても花が元気にならない時は、湯揚げをします。
3〜4cmの深さの熱湯に茎の根元を15秒くらいつけてから、すぐに冷水に浸け直します。
茎の切り口をお湯につけることによって、茎の導管内の空気が外に押し出され、導管内の水の通りがよくなるのです。
ストックやガーベラなど、葉が枯れやすい花には効果があります。
茎の切り口を焼く
茎が固い枝ものや、水が落ちやすいアジサイなどに向くのが焼き揚げです。
茎の根元3cmくらいをガスコンロにかざして、1〜2分焼きます。
全体が焼けるようにくるくる回しながら焼くのがコツです。
焼いた部分が黒く炭状になったらすぐに冷水に浸けて、2時間ほどかけて水揚げをします。
工程2:脱水・脱色
プリザーブドフラワーにするお花を、脱色液に浸ける工程です。
アルコールが脱色液の主な成分です。
お花の水分と脱色液が入れ替わることで、お花の色が脱色されます。
花を脱色液に入れる
お花全体が浸かる量の脱色液を容器に入れ、液の中にお花を入れます。
花びらの間に入った空気を抜く
花の茎をつかんで溶液の中で軽く揺り動かし、花びらの間の空気を抜きます。
(ビニール手袋やピンセットを使いましょう)
花が沈んだら容器にふたをする
花びらの色はすぐに抜け始めますので容器にふたをします。
ガクの色まで抜けたら完了
脱水・脱色にかかる時間は、6時間以上が目安です。
花びらの色は抜けていますが、ガクや茎の色まで白く抜けるのには、少し時間がかかります。
工程3:着色・保存
プリザーブドフラワーにするお花に着色する工程です。
着色液には、脱水・脱色した花を保存に耐えるようにする効果もあります。
また、着色液を混ぜ合わせて、さまざまな色を作ることも出来ます。
脱色液から取り出す
脱水・脱色が終わったら、脱色液から花を引き上げ、そっと液をきります。
すぐに着色液に入れる
そのまますぐに、花を着色液に入れます。
容器の中で軽く揺り動かし、花びらの間の空気を抜いてからふたをします。
液の中で花が少し浮いてきても、時間がたつと自然に沈んでいきます。
浸け置きして、着色完了
浸け置きして、花全体に色が吸収されれば完了です。
バラの花の場合、着色にかかる時間は12時間以上が目安です。
工程4:洗浄と乾燥
プリザーブドフラワーにする花を、洗って乾燥させる工程です。
プリザーブドフラワーの完成度を高めるために、このときに形を整えていきます。
着色液から花を取り出し脱色液へ
着色が終わったら、着色液から花を引き上げ、再び脱色液に浸けます。
脱色液で、余分な着色液を落とす
脱色液の中で花をそっと揺り動かし、花の表面についている余分な着色液を落とします。
この振り洗いは、手早くしないと脱色が始まってしまうので注意しましょう。
乾燥させて形を整えれば完成
着色と洗浄が終わった花を、台などに乗せて直射日光を避けて乾燥させます。
元の花の形が悪かったり、作業中にクセがついてしまったものは、乾燥中に形を整えて仕上げます。
乾燥時間は、花の大きさや温度・湿度によって変わりますが、2〜3日から1週間程度です。